
きっかけは、台風の中の相撲中継だったのだ。
ふと、たしか、ちゃんこ鍋て食べた事あったよな〜と
たしか18.19歳ぐらいの時だ、そうだ、間違いない、あのお好み焼き屋!
何が理由で金町に集合したんだかは、思いだせないが、高校生がお好み焼き屋の看板に入りやすさを感じたのは確かで、それから、しばらく高校生の僕達が、集まる場所といえば、金町のあの店だったのだ。
僕らが20歳を迎えた時か、はたまた高校卒業記念か、大将が、僕らにちゃんこ鍋をご馳走してくれたのを覚えてる、生意気に店の座敷を占領し、この歳ですっかり店の馴染みを気取っていたのだろうか。とにかく僕達は、騒いで飲んで食べて、それは、店側には迷惑ばかりかけていたのだと思う。しかし、マスターは、嫌な顔をせず、いつもびっくりするような会計で迎えてくれた。
店には、コピーバンドにも関わらず、僕らの写真付きサインが店に飾られていた、いつか、CDデビューするからね!
そんな僕らをマスターは、いつも会計は、出世払いだからなと言っていたのが懐かしい。
それから、15年は経ったか、ふと相撲中継を見ていた僕は、スマホでお店を検索して
あ、まだある!
CDを持って1人店に向かう。
確かに店はあったのだ、そして、マスターも訝しげに最初僕を見ていたのだが、すぐ思い出してくれた。
CDを渡すと、本当にCDデビューしたんだね、覚えてるよ、とディスクマンを取り出して、聞いてくれた、むかし話に花が咲く。
それを聞いていた、家族連れの方に、良い話を聞かせてもらったからと、僕はお酒を二杯もご馳走になった。下町て暖かくて良いだろ?マスターが、そう呟く。
あれやこれやと、話して、おいとまの時間を迎えると、何と信じられないお会計、まるで高校生の時のようだ。
次は当時のバンドメンバーを集めてだね!そう話しての帰り道。はしゃぎながら帰る、高校生の僕が、微かに、確かに、胸の中に居続けるのだ。